集落支援員タイトル

【問】地域振興戦略部TEL39・2515

集落支援員配置状況図

集落の維持が課題に
 全国で進む地域の高齢化や過疎化。市内では、特に中山間地域(山古志・小国・栃尾・川口地域)にその傾向が現れています(左下表)。担い手不足による田畑の管理や除雪への不安、集落行事が減って顔を合わせる機会が少なくなるなど、集落の維持、安心した生活の確保が課題になっています。
 このため市は平成29年度から、集落に寄り添い、支える「集落支援員(以下、支援員)」を配置しています。

集落を支える「見守り役」
 現在活動している支援員は、4地域で9人。集落内の悩みごとの聞き取りや住民の集まる場づくりなど、実情に応じた支援策や生活に密着した見守り活動を行っています。今後も、受け入れ体制や人選など、条件が整った地域から順次支援員を配置していきます。
 今回、小国・栃尾地域を担当する2人にその活動を聞きました。


虫眼鏡イラスト 集落支援員とは
 地域の実情に詳しい人材を、市が非常勤職員として委嘱。市・関係機関と連携しながら、集落の見守り活動などを行っています。

<主な活動>
・生活課題(除雪、買い物など)の聞き取り
・お茶飲み会の開催や参加の働き掛け
・民生委員などとの情報共有など


中山間地の高齢化率と人口減少の推移図


小国   住み慣れた場所で
楽しく暮らしたい、を
支える役に


大三島(おおみしま)地区担当
(大貝・三桶・苔野島)

支援員
桑原
勝利(くわはらかつとし)さん 
 桑原勝利さん画像

 3集落102世帯を順次訪問しています。一人暮らしの高齢者も多く、「顔を見て安心した」と言ってもらえるとうれしいですね。みなさんには無理のない範囲で集まってもらって、例えば簡単な野菜を一緒に栽培するとか、前職(農協職員)の経験を活かしながら、楽しみを共有できればと考えています。みんなが集まれる場(下記)をつくり、日頃からお互いが顔を合わせられる環境になるよう、できるところからお手伝いをしていきたいです。

古民家イラスト 全18世帯33人がつながる
“よったかり場”をオープン
 18世帯が暮らす大貝集落では、住民が気軽に立ち寄れる場を作ろうと、支援員の桑原さんを中心に市と住民が協働で集落センターの倉庫を改修しました。集落総代・小川一也さんは「市への窓口役になってもらい助かりました。集落の提案を話せる存在はうれしいですね」と語っていました。お披露目会で桑原さんは、かつて集落の家庭の味として親しまれていた“大貝そば”を振る舞って、お祝い。懐かしい味や昔話に花が咲き、笑顔の絶えない1日となりました。
お披露目会の画像
お披露目会(1月27日)




 不安や困りごとを
相談できる存在に




入東谷(いりひがしだに)地区担当
下来伝・上来伝・栗山沢・
吹谷・松尾・寒沢

支援員
多田
文子(ただふみこ)さん
 
    栃尾
 多田文子さん画像

 担当地域の一つ、栗山沢集落とは前職(地域復興支援員)から10年ほどのお付き合いです。以前から行ってきたお茶飲み会は集落のみなさんも楽しみにしてくれていて、私もやりがいになっています。支援員は集落のみなさんと顔を合わせ、じっくり話を聞き、寄り添える存在であることが大切だと考えています。活動は手探りですが、日々の生活の中で何か一つでも不安や負担を解決し、笑顔を増やしていければいいなと思っています。
お茶飲み会の画像
お茶飲み会(12月3日)

マイクイラスト 栗山沢区長・井田洋也さんの声
 支援員の多田さんとは、定期的に集落の状況を情報共有しています。高齢の一人暮らし世帯の除雪作業で困っていた時、市の補助制度があることを教えてもらい助かりました。祭りでは裏方の仕事もしてもらって、頼りになります。これからも多田さんの力を借りながら「住んでいてよかった」とみんなが思える集落にしたいです。
集落の状況を話し合う画像



図司直也さん画像
法政大学現代福祉学部教授
図司直也さん
(ずしなおや)
外部(支援員)とのつながりが
集落の「安心」に
 高齢化や過疎化が進む集落を維持していくには、住民同士の助け合いは大切ですが、“外”の人間を加えることも一つの選択肢です。
 支援員の良さは、時に相談相手、時に裏方として、集落に寄り添い活動することにあります。さまざまな時間・場所を一緒に過ごし、身近につながっていることが住民にとって「見守られている」安心感につながると感じます。加えて、物事を客観的に捉えて、助言できるところも集落にとってプラスになると思います。
 ただ、支援員はあくまでも「見守り役」。集落と支援員、そして行政も一緒になって集落の暮らしを考えていくことが重要です。

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