市政だよりで給食レシピの紹介を始めて約1年。読者のみなさんからアンケートなどで反響をいただいています。「孫が『コレ好きだった』と言うので作りました」「子の偏食に悩んでいますが、給食レシピの料理は不思議と食べてくれます」など、その声は50件以上。実際、学校を訪れると、給食の時間は笑顔があふれています。
なぜ給食は多くの人を魅了するのでしょうか。その秘密を探るべく、地域の生産者や調理場を取材。そこには、徹底した安全管理や健康への配慮、そして子どもたちへの温かい想いが込められていました。給食を今食べている子どもたちはもちろん、かつて親しんだ大人にも。この特集で、作り手の〝想い〞をお届けします。
長岡の学校給食
ポイント
市内全ての小・中学校と特別支援学校で提供している学校給食。約19,000人分を年間で190回以上作ります。「衛生管理を徹底した安全でおいしい給食」であることが最も大切6ページへ。その他にも4つの特徴があります。
おいしさ
子どもたちに出来たてを
調理業者とこだわりを共有
市内に67ある調理場のうち、学校外で作る「共同調理場」は7施設。子どもたちが出来たてを味わえるよう、給食の時間から逆算して調理しています。
温かい汁物は保温性の高い二重構造の食缶に入れるなど、食べ物ごとに保管方法も工夫。これらのこだわりは、衛生管理にもつながっています。
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地場産
地元食材を積極的に使用!
学校給食向けに農家と契約
地域の農家との契約により、キャベツやニラなど多くの野菜を市内産でそろえます。お米も令和元年から長岡産コシヒカリを100%使用。「市内産を届けたい」という生産者の想いもあり、一定の価格帯で使用を続けられています。
減塩
素材の味や香辛料を有効活用
「ながおか減塩うまみランチ」
月1回減塩メニューの給食を提供しています。ただ味を薄くするのではなく、食材のうま味や風味を活かします。レシピの公開や、スーパーマーケットでの販売(今年度は終了)も実施。企業とのコラボを募集中です!
地域性
季節メニューだけじゃない
長岡ならではの献立
児童や生徒が地域を知ったり、学生生活を楽しく送ったりできるよう、献立を工夫しています。9月は「体育祭応援献立」、10月は中越大震災がきっかけで始まった「災害食献立」など。毎月、特色ある献立や郷土料理が登場します。
「作る」だけでなく「伝える」
食の魅力を子どもにもっと
(株)安全給食サービス
大川 由夏(ゆか)さん(写真右)
南澤 陽仁(あきひと)さん
私たちは、学校や共同調理場など市内20施設で1日6,300人分の給食を作っています。給食の時間は「ただ食べるだけ」ではなく、食の魅力や正しい知識が得られる大切な時間。調理員も「作る」だけでなく「伝える」ことが必要だと思い、今年から小学校で“給食の授業”を始めました。児童のみなさんは、調理の動画を見て「こんなふうにできているんだ」と興味津々。これからは授業の回数を増やしていきたいです。
小学生の頃の思い出に残っている給食メニューは「ミートソース」。何とも言えないあの特別感が好きでした。もちろん今でも大好物。こんなふうに大人になっても記憶に残る給食を作り続けたいですね。
