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トップ > 観光 > 歴史・文化 > ゆかりの偉人・先人 > 『日本のビール醸造の父 中川清兵衛』①

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『日本のビール醸造の父 中川清兵衛』①

与板エリア

最終更新日 2022年4月1日

第1回 与板から世界へ

日本のビール醸造の父

麦酒醸造所勤務の頃の中川清兵衛
▲麦酒醸造所勤務の頃の
中川清兵衛

 ビールは日本で最も多く飲まれているお酒です。しかしビールが国産化されたのは明治時代ですから、比較的新しいお酒といえます。
 日本人として初めてビールの本場ドイツで醸造の修業に励んだのは、この長岡市与板に生まれた中川清兵衛でした。清兵衛が造った札幌冷製麦酒は今日のサッポロビールに受け継がれ、実に百四十年以上も愛されています。
 しかし、清兵衛は単なるビール醸造技師ではありません。幕末から明治という動乱の時代において、日本人として為すべきことを独自に見出し、それに命がけで挑戦し続けた大胆不敵な人物なのです。
 それでは清兵衛の人生を、今回を含む八回に分けてご紹介していきます。

与板を出て横浜へ

 嘉永元(1848)年、清兵衛は与板藩の御用商人扇屋の一族に生まれました。幼名を直治郎といいます。扇屋は本家の中川弥五兵衛家と、分家で「丸津」と称した中川津兵衛家からなり、清兵衛の父卯平は丸津から分家して「茶屋丸津」を名乗りました。清兵衛は丸津の養子となり跡を継ぐよう定められます。
 しかし嘉永六(1853)年の黒船来航に始まる文明開化への流れは、清兵衛に新たな眼を開かせました。清兵衛が十五歳となった文久三(1863)年、幕府は与板藩に異国船接近に対する海岸警備を命じます。
 清兵衛は幼い時から秀才で勉強熱心でした。この時代の秀才たちの眼は外国からの情報に向けられます。それは列強による侵略という脅威でもあり、新しい文明への憧れでもありました。清兵衛も海外への思いを捨てきれず、丸津の跡継ぎという運命に逆らって、ついに十六歳で家を出て横浜に向かいます。

国禁を犯して海外へ

 横浜に着いた清兵衛は、ドイツ商館住み込みのボーイになりました。そして慶応元(1865)年四月、なんと英国に密航したのです。
 嘉永七(1854)年に日米和親条約が締結されて鎖国は終わりましたが、一般の海外渡航はまだ国禁でした。見つかれば死罪すら覚悟せねばなりません。しかし海外で学びたい一心の十七歳は命がけで渡英します。
 しかし金も伝手(つて)もない少年が、異国で成功できるはずもありません。七年後、食い詰めてドイツに渡ります。
 北ドイツの港町ブレーマーハーフェンで得た仕事は、またしてもドイツ人宅での住み込みのボーイでした。清兵衛は嘆きます
 「自分は、こんなことをするために故郷を捨てたのではない。なんとか西洋文明の一端でも学びたいものだ」
 しかし、ついに運命の女神が清兵衛に微笑んだのです。

端田晶(はしだ・あきら)プロフィール

端田晶(はしだ・あきら)

■サッポロビール株式会社文化広報顧問
■サッポロビール株式会社ヱビスビール記念館館長
■一般社団法人「日本ビール文化研究会」理事顧問

1955年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。飲食店アルバイトから酒好きが高じてサッポロビールに入社。ギネス、ミラー、青島など海外ブランドビールのマーケティング、黒ラベルなどの宣伝制作、グループ全体の広報・IRなどを担当。広報IR室長、コーポレートコミュニケーション部長、恵比寿麦酒記念館館長、CSR部長などを歴任。現在は、サッポロビール株式会社文化広報顧問、ヱビスビール記念館館長。また、一般社団法人「日本ビール文化研究会」理事顧問として、同法人主宰の「日本ビール検定」などを通してビール文化の啓蒙に取り組んでいる。通称『びあけん顧問』。ビールや酒に関する著書も多い。通常の講演やマスコミ出演などの他に、面白く楽しくビールを語る試みとしてライブハウス等での「トークショー」を開始し、好評を博している。

このページの担当

与板支所地域振興・市民生活課
〒940-2492 新潟県長岡市与板町与板甲134
TEL:0258-72-3101  FAX:0258-72-3331

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