「西脇さん」の画像
マコー(株)で庶務を担当する入社4年目の西脇さん。同僚と積極的にコミュニケーションを取り、仕事の改善も提案するように。
「目黒さん」の画像
4月に入社し、部品の製造部門に配属されている目黒さん。集中力が高く、丁寧な仕事で周囲の評価も高い。

企業とつなぐ“推進員”活動中
障害のある人を
      “雇用する”とは
【問】産業支援課TEL39・2228、福祉課TEL39・2343

「推進員が障害者雇用に関わるイメージ」の画像

間企業と障害者の橋渡し役に―。
市は5月から、企業側の視点を加えた障害者雇用を促進するため、商工部に「障害者就労支援推進員」を配置しました。障害者の実習先企業の開拓や雇用を考えている企業の相談に取り組んでいます。
 障害者と企業、それぞれに最適な就労とは。マコー(株)※で障害者雇用に携わる小倉麗(うらら)さんと、障害者の自立を就労・生活の両面で支援する障がい者就業・生活支援センターこしじの永井達也さんが、坂井隆・障害者就労支援推進員(以下、推進員)とともに今後の“障害者雇用”を探ります。
◇       ◇
推進員 就任から5カ月、支援機関と協力しながら50社以上に聞き取りや訪問をしてきました。話を聞くと、障害者雇用に漠然とした不安を抱いている企業が多いように感じます。
永井 その不安を取り除く方法の一つが、短期間の職場体験をしてもらう“事前実習”です。
小倉 実習で一人ひとりの個性を知ることで、企業としても、その人の力を発揮できる環境をスムーズに整えることができます。当社では、障害のある社員に庶務や部品製造など、それぞれの個性に合わせた仕事をしてもらい、いきいきと働いてもらっています(上写真)
永井 私たちだけでは実習先企業の開拓まで手が回らないこともあったので、推進員から企業回りをしてもらい本当に助かっています。
推進員 今、10社から実習の協力を得ています。これからも、前職(民間企業の人事担当)での障害者雇用の経験を活かし、企業から「坂井さん、ちょっと来て教えて」と言ってもらえるようなつながりを築いていきたいです。
◇       ◇
永井 障害のある社員への心配りで、職場の環境や雰囲気が良くなることもあります。
小倉 当社では、障害のある社員と仕事をうまく分担しようという意識が高まり、結果的に効率化が図られて「働き方改革」につながったんです。業務の相性がマッチすると、周りが目を見張るほどの成果を出してくれます。
推進員 確かに、“戦力”と考えると「障害者雇用の見方が変わった」という声を聞きます。
小倉 障害のある人にとって、職場でコミュニケーションや成長を実感することで、精神的な自立にもつながっているようです。
◇       ◇
永井 私たちはこれまで、“福祉の視点”が中心でしたが、推進員からの“企業側の視点”で、より実態に即した支援ができるようになりました。今後も緊密に連携していきます。
小倉 企業の事情を熟知した推進員に仲介してもらうことで、私たち企業側のニーズを踏まえた障害者雇用が期待できると思います。
推進員 障害のある人と企業の双方に最適な雇用のため、ぜひ多くの企業のみなさんから声を掛けていただき、私も足を運びたいです。

企業から「ちょっと来て教えて」と気軽に言ってもらえるように
―坂井


障害者就労支援推進員
坂井 隆
「坂井 隆さん」の画像

「小倉 麗さん」の画像
障害者雇用は、実は働き方改革に
つながるんです
 
―小倉


マコー(株) 総務部 総務・経理課

小倉 麗さん


「永井 達也さん」の画像
推進員からの“企業側の視点で、
私たちの支援もより充実します
 
 ―永井


障がい者就業・生活支援センターこしじ
センター長
 永井 達也さん

※マコー(株)
市内に拠点を置き、独自の研磨技術「ウェットブラスト工法」を用いた製品が主力。125人の社員のうち精神障害者を1人、知的障害者を2人雇用している。


就労への第一歩に効果
市役所での職場体験


 市は平成23年から、市役所内で障害者の職場体験を受け入れています。一般企業への就職を目指して、社会でのルールやマナーを学び、自身の障害と向き合うことで、どのような仕事が向いているかを考えます。
 体験する業務は、文書の封入や仕分け、コピーやパソコンのデータ入力などさまざまで、期間は2〜4週間。市内の就労支援施設の利用者や高等総合支援学校の生徒など、5年間で223人が体験し、一般企業への就職につなげています。
「市役所の仕事を体験する実習生」の画像
▲市役所の仕事を体験する実習生(左)


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