徹底した衛生管理の下で給食を作る市内の調理場。今回は、信条小学校など4つの小・中学校の給食を作る「中之島学校給食共同調理場」を取材しました。
7:30 納品
肉や野菜などの食材が次々と届きます。数や重さ、卵の割れ、肉のにおいなど、五感をフル活用し確認。マニュアルやチェックリストも使って、漏れなく行います。
8:00 洗浄・カット
野菜類は流水で3回洗浄。葉物は虫が付いていないか一枚ごとに表裏を見ます。食材のカットは、みじん切り以外は全て手作業。この日は、野菜だけで約118㎏(800人分)を下処理しました。
9:00 牛乳検収
調理せず給食に並ぶ牛乳もしっかりと確認します。消費期限・個数・温度などをチェック。その後は学校ごとに仕分け、専用の冷蔵庫で保管します。
9:30 炊飯
複数の釜で同時に炊飯できる「立体自動炊飯器」を使います。時期により炊き上がりが変わるので、日ごとに水分量を調節。この調理場では1日12釜、60㎏のお米を炊きます。
10:00 調理
1度に1,000食分のサラダができる大釜で、和える・炒める・揚げるなどを行います。スープはだし汁から、ドーナツなどは生地から作ります。加熱するものは食材の中心温度を見ながら作業します。
11:00 配缶・配膳
ご飯やおかずを学校ごとの食缶に盛り分けます。缶に学校や学年を大きく印字し、入れ違いが起こらないようにしてあります。万が一に備え、出来上がった料理や食材を50gずつ取り、2週間保管しています。
11:15 配送
学校ごとに配送時間を変え、食べる直前に届くようにします。冬場は雪の影響を考え、別ルートを使います。
11:45 検食
児童・生徒が食べる30分前に学校の先生が検食。調理した私たちも同じ給食を食べて、味や見た目などを確認します。
check! 食物アレルギーの対応
「アレルギー除去食」という、卵などのアレルギー源を取り除いた食事も作ります。通常と同じ下処理を行い、途中から食材を取り分けて専用のスペースで仕上げます。除去が難しいものは「代替食」として別の献立を用意します。
アレルギー対策は繰り返しの確認が大切です。調理場で食器をセットしてから食事が終わるまでに計10回チェック。学校と密に連携しながら複数人で対応します。
愛情たっぷりで育てる生産者の声
長部農場 代表
長部 茂幸 さん
地元・長岡の素晴らしさ 農業を通して伝えたい
小学校のグラウンド約40個分の面積(48ha)の田んぼで、給食用のコシヒカリなどを作っています。近くの豊田小学校では父の代から数えて27年間、授業で稲作も教えています。
お米ひとつぶにどこまで想いが込められるか、ワクワクしながら試行錯誤の毎日です。授業では、そのワクワク感やおいしいお米ができる長岡の土壌の素晴らしさが伝わるように教えています。
東京で農業を学んでいた学生時代に、長岡を「何もないまち」と表現したことがあり、とても後悔しています。「長岡は魅力がいっぱいのまち」。そう言える子どもたちが増えるよう、これからも農業を通して魅力を伝えていきたいです。
田麦山きのこセンター
理事 内山 洋一 さん
中越大震災から再建 おいしさを送り続けたい
県内の学校給食にも使われているえのきたけを、川口地域で44年間生産しています。中越大震災では震度7の揺れに襲われ、工場にあった22万株分を全て廃棄。建物は壊れて再建に多くの費用がかかりました。そこから21年。地元のみなさんをはじめとする多くの方々に食べてもらいたい一心で生産を続けてきました。
うちの「雪ん子えのき」は、名前の由来にもなっている雪のような白さとシャキシャキした歯応えが自慢です。工場で温度管理をして栽培しているので、年中おいしく食べられることも魅力。この味をこれからもずっと提供できるよう、社員一丸となって作っていきます。