最終更新日 2025年10月22日
今回は、実務的な観点から、外国人材の採用プロセスから入社後の定着に至るまでのポイントをご紹介します。
初めて海外から外国人材を受入れる場合は、2名以上の受入れで、且つ同一国籍の人材からスタートする方がスムーズです。一方、既に長期間日本に在留している人材を採用する場合には、1名からの採用でも問題ないケースが多いです。
面接を行い、身分証(在留カード)、コミュニケーション能力、日本語能力の確認をしっかり行うことが重要です。
採用時や雇用期間中には、在留資格関連など外国人特有の手続きがあるため、事前に把握しておく必要があります。また、在留資格で認められる活動範囲を理解した上で、業務内容・労働条件・配置転換などに配慮することが求められます。
入社前に出入国在留管理局への申請が必要となる場合があるため、採用計画は時間的な余裕を持って進めることが大切です。また、入社後の育成については、日本人に比べて時間や手間を要することを理解し、長期的な視点で見守る姿勢が求められます。
入社前に労働条件を外国人材へ周知するとともに、手当や残業代の仕組み等も明確に伝えることがトラブル防止につながります。さらに、日本で働く意欲のある外国人材に対して、魅力的なキャリアプランを提示することは、人材の定着にも大きく寄与します。
社内規程やマニュアルの多言語化、専属の教育担当者の配置、日本語教育の定期的な実施など、受け入れ体制を整えることが重要です。また、外国人雇用労務責任者を選任することで、外国人就労者の管理を意識しておくことも有効です。
外国人材との交流を深めることが、受け入れ体制づくりの基盤となります。
国によっては年下からの指示に抵抗がある場合や、宗教上の理由で食べられない食品がある、お祈りや断食が必要など、さまざまな文化的背景があります。こうした価値観や文化の違いを理解し、社内全体で共有することが大切です。
また、日本人従業員への配慮として、外国人材を受け入れる理由や、想定される影響を事前に説明しておくことも、スムーズな受け入れにつながります。
外国人材雇用を成功させるためには、在留資格に留意するとともに、外国人・日本人双方が働きやすい職場環境作りに努めることが重要です。
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