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かとう たかひろ
昭和47年、新潟県公立学校教員に採用され、中魚・津南中学校に赴任。以後、26年にわたり教べんを執る。専門は保健体育。平成12年に県義務教育課副参事、平成15年に長岡市教育委員会教育部長を経て、平成19年から現職。家事はごみ出しを担当。楽しみはウォーキング。長岡市生まれ。 |
感動・感激の体験や感謝したりされたりすることで生まれる「夢や目標」。得意なものを持ち、ほめられることではぐくまれる「自信」。
長岡市が進める教育。それは、子どもたちの学ぶ意欲と人生を生き抜く自信を育てる「熱中!感動!夢づくり教育」です。長岡市教育委員会の加藤教育長にその想いを聞きました。
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学ぶ意欲の低下や学力の2極化
今の子どもたちの生活は、物が豊かで大変便利になりました。その一方で、我慢をしたり、努力をして何かを手に入れたりする、といった経験や機会が少なくなっています。
教育現場では、学ぶ意欲の低下や学力の2極化が問題になっています。
また、家庭での教育機能や、以前のように近所に怖いおじさんおばさんがいるという地域の人たちのパワーが、昔から比べるとやや落ちていると分析しています。
成熟した今の社会が、子どもたちから夢や意欲を奪っているのではないかと思います。子どもたちにやる気と学ぶ意欲をはぐくむことが急務なんです。
今も「米百俵」の精神で
「まちとは人が興すもの。まちづくりは、人づくりから始まる」。長岡市民が脈々と受け継いできた「米百俵」の精神です。
市は、教育に対しきちんと予算を配分(平成20年度の学校建設費を除く教育費は、前年度比9.7%増の約100億円)。長岡の将来を担う子どもたちへの教育を充実させていきます。
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夢や自信につなげる
この現状をなんとかしなければと思い、始めたのが「熱中!感動!夢づくり教育」です。3年前、合併地域を含む市内87校で一斉にスタートしました。
子どもたちにさまざまな経験をさせて、その中から、自信を付けさせたい。友達と協力する、感動する、熱中する、ときにはつまづいて悩み苦しむ、そして克服し、やった!という達成感を味わう。こうした体験は夢や自信につながると私は信じています。
長岡の子どもたちに、夢や自信を持って、これからの厳しい社会をたくましく生き抜く力をしっかりと身に付けてもらいたいのです。
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@船橋洋介プロデュース東京フィル夢づくりコンサート。市内全小学校の5年生約2,800人が、一流オーケストラの迫力ある演奏を肌で感じました(市立劇場) |
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やる気や学ぶ意欲を
「熱中する」「感動する」体験の中に子どもが何かに目覚め、意欲を持ち、目標を定めて行動するきっかけがあります。
市は、子どもたちのやる気や学ぶ意欲を引き出すため、熱中・感動体験活動の充実に取り組んでいます。
43の体験活動
ホンモノの中から何か感じてほしいとの想いから、さまざまな事業を実施。
間伐材を使った木工作品作りを通して環境を考える「ジョイフル里山木工塾」(写真A)、科学への興味や創造性を養う「ロボコン教室」など。平成20年度は、子どもたちのやる気をかきたてる43の体験事業を行いました。
世界で活躍する人も指導者に
指揮者・船橋洋介さんと東京フィルハーモニー交響楽団を招いた「夢づくりコンサート」(写真@)。コンサートに加え、中学校吹奏楽部を対象に、プロの練習風景を見学、楽団メンバーに直接質問するワークショップも行いました。
「特別授業『夢先生』」(写真F)では、サッカー元日本代表の北澤豪(つよし)さんが夢に向かって努力する大切さを語りました。

C巨大書に挑戦。縦2.4m横1.1mの紙に書くのは、2週間かけて考え抜いた「自分が生きていく上で大切にしたい言葉」(川崎東小学校)

E劇団四季オリジナルミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」。いじめをテーマにした内容に、小学生400人が、命の大切さや人を思いやる心を感じました(市立劇場)
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Aジョイフル里山木工塾。雪国植物園の間伐材を使い、木工ボランティアグループ「杣(そま)の会」の指導で、小学生が木工作品作りを体験。21校850人が参加しました(雪国植物園脇「木遊館」)
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B中学生夢さがし発見塾〜チャレンジ放送局〜。中学校3校の生徒たちが「我が中学校自慢」をテーマに、ラジオ番組を制作(FMながおか)

D寺泊小学校5年生の総合学習でヨットさきがけ体験学習。地元の海に関わることで、ふるさとを愛する心を深め、自ら考え判断する力を高めようと実施(寺泊港)
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Fサッカー元日本代表の北澤豪さん(右)も講師を務めた「特別授業『夢先生』」。人生を振り返り、夢を持つ大切さと失敗や挫折をどう克服してきたかを語りました(表町小学校) |
指揮者・船橋洋介さん
東京フィル夢づくりコンサートをプロデュース |
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フルオーケストラの奏でるサウンドに驚きと発見。5年生の豊かな表情は極めて自然で、音楽に対する共感や美に対する感性のあらわれそのものです。
中学生はさらに興味が。奏者に飛び交う活発な質問は、自らの機会を活かす頼もしさを感じました。 |
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宮内中学校3年・鈴木絢子さん
東京フィル夢づくりコンサートの中学校吹奏楽部向けワークショップに参加 |
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フルオーケストラの生演奏を初めて聴きました。CDでは味わえない、ホール全体に広がる響きはとても新鮮でした。
印象に残ったのが、演奏するときの姿、体の使い方を間近で見れたこと。貴重な体験になりました。 |
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寺泊小学校5年・市川唯さん
ヨットさきがけ体験学習を受ける |
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ヨットは風下に進むものと思っていましたが、揚力を使って風上にも進めることを知ったとき、とても驚きました。
ヨットには初めて乗りました。海面が近く、クラゲを間近で見ることができ、いい経験になりました。 |
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わかるとうれしい
学ぶことの喜びを知ればさらに学びたいという意欲がわいてきます。
「読み」「書き」「計算」など、学力の基礎をしっかり身に付けさせるため、学校を人的、財政的に支援。さらに、教員の指導力を伸ばし、わかる授業、やる気を引き出す授業の実現に取り組んでいます。
全国から注目の施策
「教員サポート錬成塾」(写真@)と「学校・子どもかがやき塾」は全国から注目される施策です。
「―かがやき塾」は、自由に使える予算を各学校に平均40万円配分。創意工夫を凝らした活動を学校の判断でできるようにしています(写真A)。
また、教員のための研修を約160講座開講し、指導力の向上を図っています。
授業を強力にサポート
基礎学力の定着や生徒指導の充実のために教員を補助する人員を配置する「アシスタントティーチャー」制度を導入。外国語指導助手(ALT)や日本人英語指導員の派遣も行っています。
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@教員サポート錬成塾。「ワンランク上の授業力を身につけたい」「教科の専門性を高めたい」と願っている教員のために、教員OBの専門指導主事がマンツーマンで指導しています。学校に出向き、授業や教材研究をアドバイスしています

A下小国小学校の下小よさこいソーラン。表現する喜び、やる気や元気、自信を持たせたいと平成19年度に始めたもの。6年生が1年生に自主的に踊りを教えるなど、今では学校の特色ある教育活動の1つになっています |
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下塩小学校教諭・大倉佐保子さん
教員サポート錬成塾で国語の専門性を高めている |
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(専門指導主事の)アドバイスで、子どもたちが主体的に授業に取り組むようになりました。授業が楽しくなりました。
錬成塾では、指導方法を一緒に考え、アドバイスしてくれます。参加してよかったです。 |
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下小国小学校校長・笠木典子さん
「学校・子どもかがやき塾」の校長裁量予算で、下小よさこいソーラン用の法被や応援旗を新調 |
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下小よさこいソーランを小国の「もちひとまつり」で披露したら、地域の人たちがとても喜んでくれ、子どもたちの自信になりました。
子どもたちのやる気や夢をはぐくむ取り組みに、臨機応変に使える予算があるのはすばらしいことです。 |
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大人の本気が大きな影響
地域の大人が子どもと関わる機会を増やし、社会の生きた知識や知恵、技能などを教える体制づくりに力を注いでいます。
地域の“先生”の力を
地域の団体やNPOが子どもたちを対象に行う伝統文化の継承やスポーツ教室活動などに助成する「地域・子ども元気塾助成事業」。
「ようこそ“まちの先生”事業」では、地域にいるいろんな技を持つ“達人”から学習活動に協力してもらい、地域の力、市民の力を生かした教育を進めています。 |
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@キャリア教育推進モデル地区事業で、職場体験を行っている刈谷田中学校。生徒たちは市内37カ所の事業所へ。市役所広報課では、取材の仕方や記事の書き方などを学びました。
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自動車整備工場取締役専務・斉藤孝男さん
「キャリア教育推進モデル地区事業」で職場体験を実施している刈谷田中学校の生徒を受け入れ |
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自動車の動く仕組みや整備方法を理解してもらうため、実際に工具を持たせます。
教科書だと難しく考えがち。本物に触れてみての「なるほど」を体感してほしい。心に響くものは人生の財産になりますから。 |
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冒険遊び場「赤城コマランド」世話役・山川成雄さん
「地域・子ども元気塾助成事業」で、自身が運営する赤城コマランドで植樹会を開催 |
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子どもたちにもっとのびのびと育ってほしいと、荒れた里山を再生して、自然いっぱいの遊び場を作ったり、植樹会を開催したり。
子どもたちが自分の行動に責任を持ちながら、いきいきと遊んでいる様子がうれしいです。 |
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1人ひとりの力を伸ばす
現代版「米百俵」

高橋幸雄さん |
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子どもたちの力は、学校の教育力に、外部の教育力が加わることで、さらに伸びます。例えば、まちの先生として協力してくれる地域の人、ロボコン教室で作り方を教える大学生など。
さらに、その人たちが別の活動にも参加してくれると、新しい触れ合いが生まれてきます。子どもにとって、活動自体はもちろん、学校の先生ではないいろんな先生との関わりも魅力になっています。
そういった面でも「熱中!感動!夢づくり教育」の活動は、メリットの多い取り組みです。
活動メニューはいっぱいあります。これは、1人ひとりの力を伸ばしたいという発想が根底にある、「個」に応じた教育と言えます。
まさに、現代版「米百俵」です。 |
テレビでも熱中!感動!
夢づくり教育 |
ケーブルテレビ・NCTの「長岡市発!情報宅配便」で特集します。
放送=2月2日(月)午後6時から(15分間)。再放送は月・火曜日午前9時、正午、午後11時。ほか随時
※2月3日(火)から市ホームページでもご覧になれます。 |
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