○長岡市建設工事の入札に係る総合評価方式試行要領

平成19年8月7日

公告第165号

(趣旨)

第1条 この要領は、本市が発注する建設工事の質を確保することを目的として、入札において、価格及び技術力を総合的に評価して落札者を決定する方式(以下「総合評価方式」という。)の試行に関し、長岡市建設工事制限付き一般競争入札実施要綱(平成18年長岡市告示第76号。以下「要綱」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定める。

(総合評価方式)

第2条 総合評価方式においては、入札の申込みのあった者(以下「申込者」という。)のうちから、当該入札について申込者から提示のあった価格、工事の質、施工方法等を総合的に評価し、価格及び技術力の両面から最も優れた評価を得た者を入札の落札者とする。

(総合評価方式の型式等)

第3条 総合評価方式は、当該工事の難易度等に応じて次の表に掲げる型式に区分し、当該区分ごとに同表に定める工事に適用する。

型式の区分

内容

適用する工事

簡易型

技術的な工夫の余地が小さい工事で、施工の確実性を確保するため簡易な施工計画や同種又は類似の工事の経験、工事成績等に基づき技術力と価格とを総合的に評価するものであり、当該工事の内容により次のとおり分類するものとする。

ア 簡易(実績)

比較的小規模で、簡易な施工計画を求めず、同種又は類似の工事の経験、工事成績等に基づき、技術力と価格とを総合的に評価するもの。なお、簡易(実績)型を、さらに次のとおり分類する。

(ア) 施工実績評価型

工事の品質の確保を図るため、施工実績及び技術者の能力の評価を重視するもの

(イ) 施工実績・地域貢献評価型

工事の品質の確保を図るとともに事業者の地域への貢献を評価するため、施工実績と地域貢献度とのバランスを重視するもの

(ウ) 地域密着型

地域に密着した事業者の地域への貢献を評価するため、地域での施工実績、市内事業者の下請での活用及び雇用状況の評価を重視するもの

イ 簡易(提案)

簡易な施工計画(提案)、同種又は類似の工事の経験、工事成績等に基づき、技術力と価格とを総合的に評価するもの

長岡市建設工事入札参加資格等審査委員会(以下「審査委員会」という。)が簡易型によることを適当と認める工事に適用する。なお、簡易(実績)型における施工実績評価型、施工実績・地域貢献評価型及び地域密着型並びに簡易(提案)型の型式の選定に関しても、審査委員会で審査する。

標準型

技術的な工夫の余地の大きい工事で、本市が求める工事内容を実現するための施工上の技術提案を求める場合において、安全対策、交通及び環境への影響、工期の縮減等の観点から技術提案を求め、当該技術提案に係る具体的な施工計画、同種又は類似の工事の経験、工事成績等と併せ、技術力と価格とを総合的に評価するもの

次のいずれかに該当する工事で、審査委員会が標準型又は高度技術提案型によることを適当と認めるもの

ア 総合的なコスト縮減に関する技術提案を求める工事 入札者の提示する性能等によって、工事に関連して生ずる補償費及び維持更新費を含むライフサイクルコストを加えた総合的なコストに相当程度の差異が生ずると認められる工事とする。

イ 社会的要請への対応に関する技術提案を求める工事 環境の維持、交通の確保、特別な安全対策、省資源対策、リサイクル対策等社会的要請への対応を必要とする工事であって、入札者の提示する性能等によって、工事価格の差異に比べて対策の達成度に相当程度の差異が生ずると認められる工事とする。

ウ 工事目的物の性能又は機能の向上に関する技術提案を求める工事 入札者の提示する性能等によって、工事価格の差異に比べて、工事目的物の初期性能の持続性、強度、安定性等の性能又は機能に相当程度の差異が生ずると認められる工事とする。

エ アからウまでに掲げるもののほか、標準型又は高度技術提案型に適すると認められる工事

高度技術提案型

技術的な工夫の余地の大きい工事で、構造物の品質向上を図るための高度な技術提案を求める場合において、強度、耐久性、維持管理の容易さ、環境の改善への寄与、景観との調和、ライフサイクルコスト等の観点から高度な技術提案を求め、当該技術提案に係る具体的な施工計画、同種又は類似の工事の経験、工事成績等と併せ、技術力と価格とを総合的に評価するもの

(技術評価委員会の設置)

第4条 総合評価方式を実施する場合は、価格以外の技術的な要素の審査、評価等を行うため、技術評価委員会(以下「評価委員会」という。)を設ける。ただし、長岡市PFI事業等事業者選定委員会(以下「選定委員会」という。)を設けるときは、選定委員会が評価委員会を兼ねることとする。

(入札参加資格)

第5条 総合評価方式による入札に参加することができる者に必要な資格(以下「入札参加資格」という。)は、要綱第5条の規定を準用する。

(施工能力の審査及び価格以外の技術的な要素の評価)

第6条 施工能力の審査及び価格以外の技術的な要素の評価については、簡易型、標準型及び高度技術提案型の区分に応じ、それぞれ次の各号に掲げる技術資料により行う。

(1) 簡易型

 簡易(実績)

(ア) 企業の技術力、地域貢献度確認資料(別記第1号様式)

(イ) 配置予定技術者の能力確認資料(別記第2号様式)

(ウ) 工事成績

 簡易(提案)

(ア) 企業の技術力、地域貢献度確認資料

(イ) 配置予定技術者の能力確認資料

(ウ) 施工上の課題に対する技術的所見を記した簡易な施工計画書(別記第3号様式)

(エ) 工事成績

(2) 標準型

 企業の技術力・地域貢献度確認資料

 配置予定技術者の能力確認資料

 発注者が標準として示した図面及び仕様書(以下「標準案」という。)の内容について、標準案と同等以上の優れた技術提案及び当該技術提案に係る具体的な施工計画(以下「技術提案」という。)を記した技術提案書(別記第4号様式)

 工事成績

(3) 高度技術提案型

前号に定める資料のほか、その都度市長が定める資料

(技術資料の提出)

第7条 総合評価方式による入札を行おうとする場合は、要綱第3条に規定する入札公告(以下「公告」という。)により入札参加希望者に技術資料の提出を求める。

2 前項の場合においては、次に掲げる事項を公告に明示するものとする。

(1) 当該工事が総合評価方式の対象工事である旨

(2) 総合評価の方法及び落札者の決定方法

(3) 技術資料の提出方法

(4) 受注者の責めにより技術資料の内容を満たすことができない場合の措置

(5) 前各号に掲げるもののほか、総合評価方式を行う上で必要な事項

(入札参加申請及び書類の提出)

第8条 総合評価方式による入札に参加しようとする者は、公告に定める期間及び方法により一般競争入札参加申請を市長に対して行わなければならない。

2 前項の入札参加申請は、別記第5号様式第6条に定める資料を添えて行うものとする。

3 第1項の入札参加申請を行った者は、落札候補者の決定日までに、公告に定める入札参加資格確認審査書類を用意しておかなければならない。

4 特定共同企業体の発注に付された工事に対し入札参加を希望する者は、特定共同企業体入札参加申請書を提出した後、第1項の入札参加申請を行わなければならない。

5 入札参加申請者から提供を受けた情報は、第19条に規定する評価結果等の公表の日まで非公開とする。

(入札及び開札)

第9条 入札参加者は、公告に定める期間及び方法により入札しなければならない。

2 開札は、公告に示す日時及び場所で行う。

(技術資料の評価)

第10条 第8条第2項の規定により提出された技術資料は、評価委員会により評価する。

2 評価委員会は、必要に応じて入札参加者に対してヒアリングを実施することができる。

3 各評価項目を点数化した得点の合計値が零点に満たないとき、又は簡易な施工計画書及び第6条第2号ウに規定する技術提案書の内容が記載されていないとき、記載に不備があるとき、及び公告で定める期間に提出しないときは、その入札は、無効とする。

(学識経験者の意見聴取)

第11条 市長は、総合評価方式における落札者決定基準を定めようとするときは、学識経験を有する者(以下「学識経験者」という。)の意見をあらかじめ聴かなければならない。

2 市長は、前項の規定により意見の聴取をするときは、落札者決定基準に基づいて落札者を決定しようとするときにあらためて意見を聴く必要があるかどうかについて学識経験者の意見を聴くものとする。この場合において、あらためて意見を聴く必要があるとの意見が述べられたときは、落札者を決定しようとするときに、あらかじめ、学識経験者の意見を聴かなければならない。

3 前2項の規定により意見を聴くため、本市に長岡市総合評価アドバイザー(以下「アドバイザー」という。)を置く。ただし、選定委員会を設ける場合において、選定委員会の学識経験者の委員の意見を聴くときは、この限りでない。

(技術提案の改善)

第12条 評価委員会は、技術提案において、内容の一部を改善することで優れた技術提案となるとき、又は提案の不備を解決できるときは、提案者に対し、当該技術提案の改善を求め、又は改善を提案する機会を与えることができる。この場合において、評価委員会は、透明性及び公正性の確保のため、技術提案の改善に係る過程について、その概要を速やかに公表しなければならない。

(高度の技術等を含む技術提案を求めた場合の設計額)

第13条 当該工事の担当課長は、新技術及び特殊な施工方法等の高度な技術又は優れた工夫を含む技術提案を求めたときは、経済性に配慮しつつ、各々の提案とそれに要する費用とが適切であるかを審査し、最も優れた提案を採用できるよう設計額を作成することができる。この場合において、当該工事の担当課長は、当該技術提案の審査に当たり、アドバイザーの意見を聴取しなければならない。

(総合評価の方法及び落札候補者の決定)

第14条 総合評価の方法は、次に掲げる算式により算出された評価点により評価を行う。

(1) 評価点=価格評価点+技術評価点。この場合において、技術評価点は、入札参加者から提出された技術資料について、各評価項目を点数化した得点の合計点とする。

(2) 価格評価点=配点×最低価格/入札価格

 最低価格は、入札参加者が入札した価格のうち、有効なものの最低価格とする。

 価格評価点は、予定価格の範囲内で算出されるものとする。

2 評価点の最も高い入札参加者を落札候補者とする。

3 評価点の最も高い者が2人以上あるときは、くじにより落札候補者を決定する。

(入札参加資格審査書類の提出)

第15条 落札候補者となった者は、公告に記載された日時までに、第8条第3項に規定する入札参加資格確認審査書類を持参し、提出しなければならない。

2 落札候補者が前項の規定による提出期限までに入札参加資格審査書類を提出しないとき、又は落札候補者が入札参加資格確認審査のために市長が行う指示に従わないときは、当該落札候補者の入札を無効とする。

(入札参加資格の審査及び落札者の決定)

第16条 要綱第10条の規定は、総合評価方式に準用する。この場合において、同条第2項中「当該落札候補者の次順位である者」とあるのは、「評価点の次順位である者」とする。

(技術資料の担保)

第17条 市長は、落札者となったものが、契約後、その者の責めにより、第7条の規定により提出された技術資料の内容を満たすことができない場合は、次の措置を講ずることができる。

(1) 技術資料の内容と施工内容に著しい差異があるときは、長岡市建設工事請負基準約款(平成23年長岡市告示第98号)第44条の規定による契約解除

(2) 工事成績評定における減点評価

(技術提案等の秘密の保持)

第18条 市長は、提出された簡易な施工計画書及び技術提案について、公表しないものとする。

(技術提案内容の使用)

第19条 市長は、技術提案について、その後の工事においてその内容が一般的に使用されている状態となった場合は、提案者に通知し、又は了解を得ることなく、本市が発注する工事に使用できるものとする。ただし、工業所有権等の排他的使用を有する提案については、この限りでない。

(書類等の作成費用)

第20条 入札参加申請者が技術資料の作成に要した一切の費用は、当該入札参加申請者の負担とする。

(評価結果等の公表)

第21条 市長は、総合評価方式を適用した工事において落札者を決定した場合は、入札参加者に結果を通知するとともに、次に掲げる事項を公表する。

(1) 入札参加者名

(2) 各入札参加者の入札金額

(3) 各入札参加者の価格評価点

(4) 各入札参加者の技術評価点

(5) 各入札参加者の評価点

2 入札参加者は、前項の規定により公開された評価点等について、結果通知の日から7日以内に、市長に対して疑義の照会をすることができる。

3 市長は、前項の規定により照会があった場合は、その結果を照会のあった日から7日以内に当該入札参加者に回答をするものとする。

(その他)

第22条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

この要領は、公表の日から施行する。

(平成21年3月31日公告第59号)

この要領は、平成21年4月1日から施行する。

(平成23年1月4日公告第6号)

この要領は、公表の日から施行する。

(平成23年3月31日公告第69号)

この要領は、平成23年4月1日から施行する。

(平成24年3月30日公告第59号)

この要領は、平成24年4月1日から施行する。

(平成30年3月30日公告第63号)

この要領は、公表の日から施行する。

(平成31年3月29日公告第61号)

この要領は、公表の日から施行する。

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長岡市建設工事の入札に係る総合評価方式試行要領

平成19年8月7日 公告第165号

(平成31年3月29日施行)

体系情報
第6編 務/第4章 約/第1節 工事等
沿革情報
平成19年8月7日 公告第165号
平成21年3月31日 公告第59号
平成23年1月4日 公告第6号
平成23年3月31日 公告第69号
平成24年3月30日 公告第59号
平成30年3月30日 公告第63号
平成31年3月29日 公告第61号