摂田屋
醸造のまち
   訪ねてみませんか

  国の登録有形文化財、新たに5件
【問】科学博物館TEL32・0546

 麹と新酒の香りが漂う旧三国街道。摂田屋地区は、江戸時代から続く、みそ、しょうゆ、お酒の醸造所が集まった醸造のまち≠ナす。このまちにある醸造所の土蔵など建築物5件が、9月21日に国の登録有形文化財として答申され、年内には正式に登録される予定です。
 登録されるのは、越のむらさき主屋と土蔵、長谷川酒造主屋、星野本店三階蔵、星六土蔵。いずれも明治初期から中期に建築され、現在も使い続けられている建物です。
景観を守る活動が結実
 ひとつの地区に同じ時代の建築物がまとまって残されているのは大変貴重。摂田屋という地区が育んできた文化のあり方をよく示していて、歴史的景観にも寄与していると評価されました。
 これは、中越大震災で被害を受けた建物を修復するなど、歴史的な景観を守り、町おこしを進めてきた地元の努力が実ったものです。
 すでに登録されている2件(吉乃川常倉、機那サフラン酒製造本舗土蔵)と合わせ、摂田屋の醸造6社全てが登録有形文化財を有することになります。
 地元では、摂田屋をもっと多くの人に知ってもらう魅力発信の機会にしたいと話しています。
 
醸造のまち 摂田屋
  越のむらさき 主屋、土蔵
天保2(1831)年創業のしょうゆ醸造所。白壁の突き出している部分が土蔵。主屋とつながり一体的な建物になっている。土蔵は明治10年建築。主屋も同年ころの建築といわれている。
町家造りの主屋は、長岡地域で伝わる低く頑丈な造りをしている。

  星野本店 三階蔵
弘化3(1846)年創業のしょうゆ・みそ醸造所。三階蔵は明治15年に建築した2階建てに、大正時代に3階を増築。
3階建ての蔵は全国的にも珍しく、数々の土蔵がある摂田屋地区の中でも異彩を放つ土蔵。
  ▲1階は、見学者の応接スペース。展示会などにも使用している

  星六 土蔵
明治後期に星野本店から分家。その際に分け与えられ移築した土蔵(建築は明治中期)。その後大正期に建物ごと移動させる曳家をしていることから「動く蔵」とも呼ばれている。
今はみそ造り用の蔵に使われている。

  長谷川酒造 主屋
天保13(1842)年、蔵王神社への神酒醸造を始める。主屋は明治19年建築(大正13年改修)。
正面の壁面を梁で装飾し、老舗造り酒屋の風格ある構えを見せている。

すでに登録されている文化財2件
  吉乃川 常倉
天文17(1548)年創業の酒蔵。常倉は大正12年の建築とされる。
ツタに覆われたオブジェのような倉は、道行く人々から長年親しまれている。

  機那サフラン酒製造本舗 土蔵
大正時代末の建築。薬味酒で財をなした創業者が建てた土蔵。
土蔵の扉には「こて絵」で鳳凰や恵比須、馬などが色鮮やかに描かれている。


(株)星野本店 
代表取締役 星野 孝さん
  これからも大切に使っていきます
 三階蔵は、大正時代からずっと使っている建物。夏・冬の建具や冠婚葬祭に使う食器類などをしまっていたようですね。
 文化財になるといってもここは日常の生活の場であり仕事場です。大切に残す使い方を考えていきます。
 また、訪れる人が増えると思うので、みなさんに使っていただける形も工夫したいと思っています。いろんな人と出会えることが楽しみです。


NPO法人 醸造の町摂田屋町おこしの会
会長 中村 隆さん
  摂田屋の町の個性を残したい
 もちろん、建物の所有者にしてみれば、同じお金をかけるなら新しくしたいですよ。でも町の個性が無くなって、どこの町かわかんなくなってしまいます。町並みを残すにはけっこう高いハードルもあるんですよ。この辺の説得にはかなりの頑固さが必要かなと思っています。
 摂田屋は調べれば調べるほど奥が深いと感じています。古いものを大切にしながら、新しいことにも挑戦して、より魅力的な地域になるよう活動を続けていきます。
 
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